任意後見と法定後見の違い

任意後見と法定後見の違い

任意後見と法定後見はどう違いますか?とか私はどちらを選択したら良いですか?と質問を受けますが、このふたつは本人の判断能力が衰えているかそうでないかによって決まります。
従って「私はどちらですか?」と相談に来られる方は間違いなく「任意後見」
ご両親のことで悩まれている方は「法定後見」
ということになります。

任意後見

今は元気。でも、将来が不安。
もしも、認知症なったら、支援してくれる人が欲しい。
こんな方におすすめなのが任意後見です。
将来の後見人を今のうちから選んでおいて、どんなことが不安?どんな支援をしてほしい?どんな施設に入居したい?自宅で生活したい?病気になったら?をじっくり話し合っておきませんか。

じゃあ 、誰が任意後見人になってくれるの?
私で良ければお手伝いします。
信頼できるか?性格が合うか?今のうちにしっかり判断しましょう。

え!将来じゃなく今から少し支援してほしいんだけど・・・という方もOKです。

お元気なうちから支援が始まる【移行型】と判断力が衰えてから支援が始まる【将来型】があり、選ぶことができます。

え!亡くなったあとの納骨などをしてほしいんだけど・・・という方もOKです。

オプションで死後事務委任契約を付加することができます。

但し、死後事務では財産の処分まではできませんので、財産の行き先は別途、遺言書を作成して決めてください。公正証書遺言書作成もお手伝いします。

良いことばかりのようですが、任意後見人はご自分の娘ではないということも分かっておいてください。あくまでも契約時に当事者間で合意した特定の法律行為の代理権によって支援します。

法定後見

私の母が、父が、認知症になった。判断能力が不十分なために銀行取引や不動産の処分ができない、悪質なセールスから両親を守りたい。

私の叔母さんが認知症になった。子供がいないので私が支援しているけど遠方で大変・・・ヘルパーを頼んだり、介護保険の手続きをしたり、入院の手配をしたり。誰か代わりにやってほしい。

でも、すでに判断能力が不十分になっているので、任意後見契約のように契約によって依頼できません。
そこで、家庭裁判所が後見人を選ぶのが法定後見制度です。法律によって、支援者を定めることから、法定代理人という位置づけになります。 法定後見が利用できるかどうかは家庭裁判所に申立てをします。 判断力の差によって後見、保佐、補助の3つの類型がありますが、どの類型にするかは医師に診断書により、家庭裁判所が判断します。

どんな手続きをふまなければならないか?

任意後見の場合は公証役場で公正証書作成

お元気なうちに任意後見契約を締結

誰を任意後見人にするか、支援の内容は具体的にどうするか、任意後見人への報酬はどうするかなどの詳細が決まったら、契約案を作成してご確認頂き、最終の契約案がまとまったら公証役場に行き公正証書の作成をします。

公正証書作成には実印登録が必要です。印鑑登録は住民票のある市町村でできます。

移行型はすぐに支援開始・将来型は認知症になったら支援開始

判断能力の衰えは法定後見利用を検討

移行型はすぐに支援が始まります。ご希望によって財産を預かったり、役所の諸手続きのお手伝い、生活相談をお受けし、快適に暮らせるようアドバイスや支援を行います。

将来型は認知症になってから支援開始です。それまでは軽いコンタクトをとって見守ります。任意後見契約は認知症になって始めて発効するので、もちろん発効せずに終わる(死亡)こともあります。できたら発効せずに終わりたいですね。

死後事務

葬儀、納骨、遺品整理は死後事務委任契約でカバー

オプションで死後事務委任契約のある方は葬儀、納骨、永代供養などを行います。財産をお預かりしている場合は相続人に財産をお返しします。財産の処分もして欲しいという方は別途遺言書作成が必要です。任意後見契約と同時に遺言書作成することをおすすめします。子供さんのおられない方は是非とも死後事務委任契約を付加することをおすすめします。

法定後見の場合は家庭裁判所に申立て

家庭裁判所が後見人を選任します
医師の診断書、戸籍、財産目録等の書類を作成したら家庭裁判所に申立書類を提出し、調査官(裁判官)による聞き取り調査があります。その後、調査官が本人に面談するなどの調査を経て、家庭裁判所から、審判書謄本が本人および成年後見人等に郵送で通知されます。
誰が成年後見人になるかは、申立書類に候補者として記入欄がありますが、最終的には家庭裁判所が決めます。

すぐに支援開始

法定後見の類型は補助、保佐、後見

法定後見はすでに本人の判断力が衰えていますので、すぐに支援が始まります。任意後見が契約内容に基づいて支援するのに対し、法定後見は後見人の裁量で財産管理、身上監護が行われ、1年に1度、後見人が家庭裁判所に報告書を提出します。

後見人の仕事

本人と話しをしに出かけて行く

1.本人のために診療・介護・福祉サービスなどの利用契約を結ぶこと
2.本人の預貯金の出し入れや不動産の管理などを行うこと
などが主な仕事となります。
と、後見人の仕事について、家庭裁判所のホームページに掲載されています。
このふたつのことをするために、本人の話しを聞く、本人の健康状態や状況を確かめる作業が必要で、これには大変多くの時間を費やします。
ビジネスライクに電話一本、メール一本でこれらはできません。
私は後見人の仕事は「本人と話しをしに出かけて行く」ことだと思っています。

よくある質問

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